Araki Architects

(有)荒木毅建築事務所

北川上空より

黒い外観の住宅の西側2階に、広い木のデッキが作られています。
住宅の一番高いところに北向きの横長のハイサイドライトが見え、デッキに開いた開口部の上には大きなグレーのオーニングが設置されているのが分かります。また、デッキの周囲には木製格子が立ち上がっており、デッキの下は駐車場になっているのが分かります。

自然でエコな工夫

上の写真では陰になりますが、南側の傾斜屋根には太陽光パネルが設置され自家発電をしています。
広い西側デッキに伸びるオーニング（写真では畳まれています）

・南側の庇やルーバーが、夏の日差しを遮ります。
セルロースファイバー吹込みの断熱と珪藻土の組み合わせで、自然素材によるすぐれた断熱性能に加え適度な調湿効果も得られます。
写真にも見えている天井の高い位置に取り付けられたハイサイド窓は、夏場の通風にも効果を発揮します。

南側外観

住宅の南側外壁2階バルコニーにも縦格子が設置され、道を歩く人との視線の交錯を緩和しています。また、格子上部まで屋根庇が伸び、夏の太陽光を制御し、冬の光を入れる工夫となっています。

西側隣地にある大きな桜の木が間近に見えます。

玄関

南側１階の引戸を開けて中に入ります。
赤く塗られた螺旋階段が見えます。桜を見る家では、外壁の色や階段の色など、建て主のご希望で私どもの普段の設計とは少し趣の異なる仕上げとなった部分もありますが、こうして得られる出来栄えの”新鮮さ”は、建て主と設計者の協同作業（コラボレーション）による良き効果と言えるでしょう。

土間

土間が広く取られ、大切な自転車はここに置かれることになりました。
正面壁上部のガラスから奥の部屋に光を取入れます。

土間

土間の長手方向一面は、奥行のある収納となっており、様々なものが仕舞われています。
玄関引戸には乳白のガラスがはめ込まれ、土間に光を届けます。

2階居間よりデッキを介してソメイヨシノを見る

１１畳のデッキは、居間とつながって、内外で広いリビング空間を作り出します。人が集まった際にも楽しいスペースとなるでしょう。ここは、また桜の季節の舞台でもあります。

リビング北側のハイサイド窓

リビングは一杯にデッキと接しています。
太陽光パネルの乗る勾配屋根は居間の中央付近で最も高くなり、ハイサイドライトが北側の安定した光を届けます。また、夏場は南から北に抜ける通風を確保します。

キッチン横にあるご主人の書斎

ちょっと奥まった部分、キッチン横の引戸を開けると、ご主人の書斎があります。

2階デッキ

撮影の日はソメイヨシノが満開でした。

断面図

・南北断面図。
・東西断面図。

太陽光の利用には、パッシブ・アクティブ両方を活用しています。
南側大開口の上部に庇、西側大開口の上部に２メートルの奥行きまで伸びる電動のオーニング、広い2階デッキ回りに背の高い縦格子を設置し、夏場の太陽光を制御する工夫がされています。

桜を見る家について

西側の桜の大木に開いた、２階居間の大開口と広いデッキを持つ、夫婦とミニチュアダックスのための家です。居間と１階の広い土間が螺旋階段によって結びつけられています。
西側隣地の桜の大木に面して、広いデッキが2階にあり、居間の大開口がこのデッキに開いています。2階居間と１階土間が螺旋階段によって結びつけられています。

自然素材を多く使っています。
内壁には調湿効果のある珪藻土を塗り、壁・天井内部にはセルロースファイバー断熱材を用いています。

階段手摺りは、小型犬（ミニチュアダックス）の落下防止を考えてデザインしました。
ご主人の書斎・奥様の家事コーナーと、それぞれのセミプライベートな場所を作りました。
建具は全て引戸としました。
ウォークインクロゼットや作り付けのクロゼットなど、収納を十分に取りました。。

しっかりとしたお好みをお持ちでしたので、それに基づいて色や仕上などを決めていく事が出来ました。普段、作っている家とは若干雰囲気の異なる（黒い壁やｵﾚﾝｼﾞの手摺りなど）家を作る事ができ、自分の可能性を広げる事ができたと思います。施主とコラボレーションをしたとも言えそうです。

設計概要

　主要用途 ： 専用住宅
　設計監理 ： 荒木毅建築事務所
　構造・構法 ： 木造2階建て
　敷地面積 ： 100.44m2（30.38坪）
　建築面積 ： 62.74m2（18.98坪）
　車庫面積 ： 18.02m2
　１階面積 ： 44.72m2
　２階面積 ： 44.72m2
　延床面積 ： 107.46m2（32.51坪）