過去のコラム

ボビージーン

<ザ・ハウスのメルマガ(2005/10/13)建築家コラムリレー(建築家の日々あれこれ)>

ボビージーンの事を書こう。と言っても同名の歌の事は全く知らない。これは店の名である。実は、この3月31日で閉店した。

常連客が20人程居り、私も仕事を終えた後、週に一度くらいの割合で出かけていた。そこには、ホッシー(愛称)と言うすぐに客の名前を覚えてしまうバーテンダーが居り、シェイカーの振り方がとても格好良かった。
最初は昨年の秋に友人に連れられて行った店だが(私は臆病なので自分で店を開拓するのが苦手なのだ)、そのうちに一人で行くようになった。

ホッシーは、いろいろなスコッチを教えてくれた。専用の薄いグラスに入れられた酒をカウンターの上でゆらゆらと動かし、空気を混ぜて柔らかくしつつ、香りを楽しみながら頂く。
バス・ペール・エールをチェイサー代わりにする飲み方もそこで学んだ。少しづつ、横に並んだ常連の方々(20代の方が多く、私は一番歳上の部類だった)とも話すようになり、ボビーに行くのがますます楽しくなっていた2月の半ば、閉店の事を告げられた。

それからは、店に行く回数が日に日に増して、週3回程も行っていただろうか。常連によるいくつかのセレモニーがあったりなどしたが、やがて3月31日は来てしまい、最後の大騒ぎの後で行くべきところが無くなった。

常連の方々も同じような気持ちだったのだろう。それからしばらくは彼等と別の店に行ってみたりもしていたが、半年後の今はバーに立ち寄る時間が少しづつ減って来ている。


◆2004年の秋から2005年の春まで通ったこの店は、大事な思い出になっています。

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