|  ボビージーンの事を書こう。と言っても同名の歌の事は全く知らない。これは店の名である。実は、この3月31日で閉店した。
  常連客が20人程居り、私も仕事を終えた後、週に一度くらいの割合で出かけていた。そこには、ホッシー(愛称)と言うすぐに客の名前を覚えてしまう
 バーテンダーが居り、シェイカーの振り方がとても格好良かった。
 最初は昨年の秋に友人に連れられて行った店だが(私は臆病なので自分で
 店を開拓するのが苦手なのだ)、そのうちに一人で行くようになった。
  ホッシーは、いろいろなスコッチを教えてくれた。専用の薄いグラスに入れられた酒をカウンターの上でゆらゆらと動かし、空気を混ぜて柔らかく
 しつつ、香りを楽しみながら頂く。
 バス・ペール・エールをチェイサー代わりにする飲み方もそこで学んだ。
 少しづつ、横に並んだ常連の方々(20代の方が多く、私は一番歳上の部類
 だった)とも話すようになり、ボビーに行くのがますます楽しくなっていた
 2月の半ば、閉店の事を告げられた。
  それからは、店に行く回数が日に日に増して、週3回程も行っていただろうか。常連によるいくつかのセレモニーがあったりなどしたが、やがて3月31日は
 来てしまい、最後の大騒ぎの後で行くべきところが無くなった。
  常連の方々も同じような気持ちだったのだろう。それからしばらくは彼等と別の店に行ってみたりもしていたが、半年後の今はバーに立ち寄る時間が
 少しづつ減って来ている。
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