片瀬山の家 (previous page)住宅

南東外観(模型)

・崖の上の家/山と海の近いこの辺りでは、緑豊かな丘と谷が交互に繰り替えし、その間をうねりながら道が通っています。敷地はベロの様に突き出した丘の突端にあり、下を通る道との高低差は最大で12mほどもあります。
この丘は岩盤で出来ており、下からこの住宅を見上げると、まるで崖の上に建っているかの様です。

片瀬山の家 南東外観(模型)

東側外観(模型)

・周囲を望む家/眺望が良く、ぐるりと230°くらいは視界を隣家に妨げられない見晴らしがあります。
各部屋によって、景色を見せたり、建築で隠したり、開口部の位置や高さを変え見える眺めを異なるものとしたりと、工夫がされています。

片瀬山の家 東側外観(模型)

南西外観(模型)

建築の周囲をぐるりと一巡りしてみましょう。
1階が居間など、2階が個室となっています。日の当たっている面が南側です。南側の眺望は、1階居間に開けられた大きな窓、2階の離れ(書斎)の窓から見る事ができます。書斎からは山の間からちらりと海も垣間見れます。

片瀬山の家 南西外観(模型)

南南東側外観(模型)

2階では、ハイサイドライトのある建物本体と書斎の間に外部が挿入されているのが分かります。この部分は9畳ほどの広さのデッキとなっており東西方向に開いています。デッキには木製スノコが敷かれています。
本体2階個室には横長の窓が設置され、景色を広範囲に眺める事ができます。ハイサイドライトよりの光が、柱・梁の骨組みを通して注ぎます。
1階居間には、南側の大開口の他に、東西に引違い窓が設置されており、東側はデッキ、西側は隣家(ご親戚)の庭とつながっています。

片瀬山の家 南南東側外観(模型)

北東側外観(模型)

北側にある庇の部分が玄関となっています。

片瀬山の家 北東側外観(模型)

 

北東側外観(遠景)

丘の上にある黒の建築が「片瀬山の家」です。谷を隔てた別の丘より眺めています。
谷地には家々が並び、丘の上にも点在していますが、丘には緑が繁茂しています。遠方にも別の丘が見えています。

片瀬山の家 北東側外観(遠景)

外観(部分)

外壁は、ガルバリウム鋼板の波板貼りとされました。1階の掃出し窓は居間の東側にある窓で木製デッキが設置されています。その上に三角にとび出した部分は9畳ほどの屋上デッキとなっており、このデッキを挟んで2階に「離れ」のように建っている書斎が見えています。

片瀬山の家 北外観(部分)

居間

大きな開口部のある正面が南。向かって右の西側は、母屋の庭とつながっています。向かって左にはデッキが設置されています。
四寸角の柱が等間隔で並んでいます。この柱は2階でも同じ位置に並び、小屋組みを支えています。
床材は、ご主人のご希望でハードサイプレスという硬い木を使いました。独特の味わいがあります。写真右奥に乳白色の引戸が見えていますが、ここは本棚兼TV置き場となっています。天井にはダクトが埋め込まれ、スポットライトの位置が自由に選べます。

片瀬山の家 居間

居間

居間の反対側を見てみます。ダイニングとその奥にキッチン、左奥に2階へ上がる螺旋階段が見えています。ダイニングの上部は小さな吹抜けとなっており、光が注いでいます。

片瀬山の家 居間

ダイニング・キッチン・螺旋階段

近づいてみます。
照明器具や椅子は以前からご使用のものを利用されています。

片瀬山の家 ダイニング・キッチン・螺旋階段

ダイニングと吹抜け

ダイニング上部の吹抜けは、テーブルに自然光を落とす役割の他、1階と2階をつなぎ、家族のコミュニケーションに役立っています。吹抜け正面が寝室の「地窓」。左側が2階ホールとなっています。

片瀬山の家 ダイニングと吹抜け

キッチンより昼の景色。

 

片瀬山の家 キッチンより昼の景色。

キッチンより夜の景色。

ダイニングを介して居間の窓の外の緑を、吹抜けを介して書斎や空を眺める事ができます。

片瀬山の家 キッチンより夜の景色。

キッチン

キッチンは対面式となっており、シナ合板で作られた収納が設けられました。
カウンター上部の横長の小窓からも周囲の緑が目に入ります。
キッチン本体は写っていませんが、ブルトハウプのシンプルなシステムキッチンが置かれています。

片瀬山の家 キッチン

浴室

浴室は白で統一され、トップライトより光が注ぎます。メディシンキャビネットは大島式とされました。 

片瀬山の家 浴室

2階個室など

2階は、檜柱・米松の梁、床のラワン合板、天井や建具のシナ合板と、柔らかい色味の木で構成されています。
柱と壁の間には引戸が設置されており、部屋として区切る事も、全体を一体に利用する事もできます。
外部デッキと螺旋階段の間に設けられた小さなホールは、日当たりのよい外部の様な内部なので、家族のためのちょっとしたくつろぎの場となるでしょう。
柱・梁の作り出す力強い構成は、斜め天井の一番高い部分に設置されたハイサイドライトで効果的に演出されています。

片瀬山の家 2階個室など

2階の各所

・個室東側の横長の窓から景色が広がっているのが分かります。ハイサイドライトは屋内の空気の流れを作り、夏場の熱気を排出するためにも役立ちます。

片瀬山の家 2階の各所

 

2階の各所

・2階小ホールよりデッキ(中庭)を介して、南東の景色と「離れ」の書斎を見ています。椅子を出して日向ぼっこをしながら景色を眺める。夜は星空を眺める。そんな生活がイメージできます。書斎は他の部屋とつながっていませんから、落着いて作業に集中する事の出来るプライベートな個室として使われる事でしょう。

片瀬山の家 2階の各所

中庭(デッキ)を介して書斎を見る。

デッキの向こうには小さな書斎が建っています。その背後に景色が広がります。

片瀬山の家 中庭(デッキ)を介して書斎を見る。

中庭(デッキ)を介して個室棟を見る。

書斎より、片流れの屋根が掛かる住宅の本体部分を見ています。三つある窓の右側の部分が吹抜けとなっており、1階のダイニングにつながっています

片瀬山の家 中庭(デッキ)を介して個室棟を見る。

デッキよりの夕景

デッキの向こうが2階小ホールです。右側の吹抜けを介して1階とつながります。

片瀬山の家 デッキよりの夕景

デッキよりの眺め。

中庭(デッキ)より東方向を見ています。南北にある建築が額縁の様に景色を区切っています。この様に、場所によって景色はいろいろな見え方をします。

片瀬山の家 デッキよりの眺め。

模型写真

南東上空より見る。中庭の様な1・2階のデッキ、様々な方向に開けられた窓が見えます。南側の窓には庇が設置されています。
特徴のある形をしていますが、これは敷地の形状、方向や周囲との関係から出てきた形体です。

片瀬山の家 模型写真

雑 感

「普通の家」の光の扱い方が気に入られ、私に設計を依頼して下さった建て主のS氏は、居間の床材・浴室やキッチンの仕様などにもはっりとした好みを持っておられた。
それらを守りつつ、全体の骨格を機能的で自然な建築に整理して行くなかから、個性ある住宅が出来て行ったと思う。
崖の上の配置は、風雨などの自然条件を克服すれば、景色やプライバシーなど優れた側面も持っている。
近くを歩くと、思わぬところからこの家は見える。合理的な構成としつつも特徴のある形なので、いろいろなところから見える形も変化に富み、楽しい。

 

崖下、ちょっと離れたところより見る。

片瀬山の家

設計概要

 建築用途 専用住宅
 主体構造 木造軸組工法 地上2階
 敷地面積 250.24m2
 建築面積 65.40m2
 延床面積 104.71m2
 2006年7月

 
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