裾野の家/静岡県 (previous page)住宅

模型写真

静岡県裾野市の閑静な住宅地。65坪ほどの敷地での建替えです。周囲を家で囲まれているので、プライバシーの確保と太陽光の採入れを重視しつつ空間を構成しました。

今回の建替えは、二世帯住宅とするためでもあります。1階をご両親世帯、2階を息子さん世帯の住居とし、中庭と2階デッキ、階段と土間の吹抜けが両世帯を緩やかにつないでいます。

裾野の家 模型写真

配置図

1階は、南側の中庭をコの字型に囲み、2階は西側アパートの視線を遮りつつ南東に開いています。南東数十メートル先にある里山のこんもりとした緑が目に飛び込んできます。

南側に迫る隣家やこちらに大きな窓を向ける西側アパートとの関係を調整しつつ、1階中庭・2階デッキ・土間上部吹抜けのハイサイドライトなどを活用して、各階に太陽光を入れる工夫がされています。

裾野の家 配置図

アプローチ

北東側の敷地延長部分の通路より家に近づきます。
この通路に平行して、家の1階には細長い土間があり、どこからでも出入りできます。この通路は、車2台分の駐車スペースにもなります。

裾野の家 アプローチ

リビングより玄関を見る。

 

 

裾野の家 リビングより玄関を見る。

ダイニングより中庭方向を見る。

ご両親の住まいの1階は、中庭をコの字に囲むようにキッチンや居間や寝室が配置されています。
写真右側の障子の向こうは、階段と土間吹抜けがあり、2階の子世帯と緩やかにつながっています。
中庭を介して、冬でも1階に日差しが入るよう、建物の高さ、窓の大きさや庇の出などが工夫されています。

裾野の家 ダイニングより中庭方向を見る。

中庭より。

中庭に出て家を見ています。1階左側が居間、右側がダイニングです。
2階は子世帯の居間が見えています。ダイニングの上は、子世帯のための広いデッキとなっています。

裾野の家 中庭より。

階段を上り2階居間へ。

土間にある階段の上部は吹抜けており、ハイサイドライトから南の光が入ります。この光は階段横の明かり障子を通して、1階のご両親の居間にも届きます。
2階子世帯の居間の窓からは、里山の緑が見えます(写真右端に少し写っています)。

裾野の家 階段を上り2階居間へ。

2階居間よりダイニングを見る。

2階居間はくの字に曲っており、その中央にキッチンがあります。
2階の各室は壁に収納できる引込戸などにてあいまいに仕切られており、家族構成の変化に合わせて間取りを変えていくことが出来ます。

裾野の家 2階居間よりダイニングを見る。

2階デッキより西ウィングを見る。

2階の子世帯の外部空間として、南東側に広いデッキを作りました。
1階中庭を挟んで西側ウィングと対します(西側ウィングは、その向こうにあるアパートの窓々との視線の交錯を防いでいます)。
少し見えている緑は、建て替え前からあった梅の木です。

裾野の家 2階デッキより西ウィングを見る。

2階デッキ

デッキはカナダ杉貼り、建物外壁はガルバリウム鋼板貼り仕上げとなっています。
一部高くなっているとんがり屋根は、1階まで光を落とすハイサイドライトです。

裾野の家 2階デッキ

模型写真2

 

 

裾野の家 模型写真2

断面図

太陽光の入り方を示しています。
冬場の低い位置からの光が隣家の屋根をかすめ、葉の落ちた広葉樹の枝の間を通って、1階の居間にも差し込みます。
土間の吹抜け上部にあるハイサイドライトよりの光も、居間の障子を通って回り込んできます。
2階居間南に設けられた庇は、真夏の太陽光を遮り、秋から春にかけての太陽光を部屋に採入れるためのものです。

裾野の家 断面図

2階ダイニング

西ウィング居間より、ダイニングを通して階段吹抜け方向を見ています。
吹抜け上部からの白い自然光が1階に下りているのが分かります。

裾野の家 2階ダイニング

裾野の家

 主要用途 : 専用住宅
 設計監理 : 荒木毅建築事務所
 構造・構法 : 木造2階建て
 敷地面積 : 214.03m2(64.74坪)
 建築面積 : 90.16m2(27.27坪)
 1階面積 : 84.49m2
 2階面積 : 74.13m2
 延床面積 : 158.62m2(47.98坪)

 
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