CH11 (previous page)コートハウス

模型写真01

東京の下町。60坪ほどの敷地に母屋があったのですが、老朽化したため建て替えることになりました。その際、敷地を丁度半分に分け、左側(西側)の敷地にCH11が作られました。

 

写真左手前(南側)が前面道路、右側(東側)の空地が残りの敷地です。

 

道路に面して玄関扉が付いています。扉を入ると細長い土間となっており、居室との間にワンクッションとられています。

CH11 模型写真01

模型写真02

敷地はほぼ四角でしたが東西に分けられ南北に細長い二つの敷地になりました。西側の敷地に建ったのは両親と娘さんのための住宅(CH11)です。数年後に残り半分の東側の敷地に息子さんご家族のための住宅が建てられる予定があります。

 

CH11は、中庭を挟んで南棟と北棟に別れています。南棟は南が高い片流れ屋根で、中庭部分で低く抑えられています。北棟は2階建てですが、南棟は実は背の高い平屋です。これは冬でも中庭や北棟1階に日差しを入れる工夫です。南棟には上部のハイサイドライトより採光します。

CH11 模型写真02

模型写真03

屋根と両側の壁は南側に少し持ち出され、「庇」となっています。これは、夏場の日差しをカットする工夫です。
プライバシーを考慮して、中庭に面して大きな窓が開けられているのが分かります。

CH11 模型写真03

東側外観

敷地の状況は、南側の前面道路の幅員が2.27mと狭く、北側と西側の住宅は、こちらの敷地を囲うように最近マンションに建て替わりました。写真手前の土の部分が現在は空地となっている東側敷地です。

 

冬の日差しは、この写真のように低い角度から差し込みますが、中庭や北棟の1階にも明るく差し込みます。道路を挟んだ南側の家々の影が南棟に落ちていますが、南棟はハイサイドライトよりの採光なので隣家の影響を受けていません。

CH11 東側外観

南棟内部

土間に入って内部を見ています。
冬場のハイサイドライトよりの光が差し込んでいます。南側の道路は狭く隣家が迫っていますので明りをなるだけ上部から採ったのですが、これにより、道を歩く人との視線の交錯もなくなります。
冬の日差しは、この様に住宅の奥まで達します(夏の直射光はハイサイドライト上部に設けられた庇に蹴られて内部にはあまり入りません)。
CH11では、南棟がキッチン・ダイニング、北棟と南棟を繋ぐ部分がリビングとなっています。

CH11 南棟内部

リビングより南棟を見る

リビングの天井高は抑えられていますが、キッチンの天井が抜けているので圧迫感はありません。左側に中庭のデッキが見えています。右側カウンターは奥様の家事コーナーです。正面シナ合板の収納の奥にシステムキッチンが設置されています。

CH11 リビングより南棟を見る

キッチン

キッチンのプランは、奥様の使い勝手の良いように、ご希望を充分にお聞きしながら作りました。キッチンの使い勝手は、使われる人によって異なり機能だけで決めれば良い部分では無いからです。
こちらの家では、キッチンの横に冷蔵庫、キッチンの背面(写真右側)に作業カウンターと吊戸棚、写真奥に洗濯機置き場などが見えています。

CH11 キッチン

中庭より居間と南棟を見る

中庭より見ると、リビングやキッチンとの間に壁は無く、大きく開いて行き来する事ができます。この様に、中庭を中心にして、家族の活動の場がゆったりとつながっています。
リビングの床は、栗の無垢フローリングで浸透性のオイルが塗布されています。テーブル左の背の高いマガジンラックの裏側に冷蔵庫が置かれています。

CH11 中庭より居間と南棟を見る

居間と北棟1階

正面に階段を見ています。ちょっとしたオブジェにも見えるこの階段の周囲は木製の格子で囲われています。階段の円い吹抜け上部からも光が差し込んでいるのが分かります。
右奥には縁無しの畳敷きの床が見えています。

CH11 居間と北棟1階

和室より中庭と居間を見る

和室床の縁無し畳は市松に敷き込まれ、天井はシナ合板の目透かし貼りとなっています。和室は1階奥の北側にある部屋ですが、中庭を通して南の空も見る事ができます(これは南棟の屋根の軒がこちら側で低くなっている事によります)。
この様に、和室ーリビングーダイニング・キッチンは、中庭と一体となって緩やかにつながっています。

CH11 和室より中庭と居間を見る

和室より中庭を通して南棟を見る

右側に中庭のデッキが見えています。中庭の周囲はぐるりと掃き出し窓で囲われまた。中庭へはリビングからだけでなく、ダイニングや和室からも出る事ができます。中庭を通って他の部屋へ行き来することもできます。

CH11 和室より中庭を通して南棟を見る

中庭の夕景

周囲から守られた中庭と、そこに開かれた内部空間。ほんわりと白熱灯のあかりが洩れています。

CH11 中庭の夕景

洗面所

階段の周囲の木製格子の間には半透明のポリカーボネイト板が嵌められ、上からの光を裏側にも通します。このようにして、階段と北側浴室の隙間に作られた洗面所にも光が落ち、洗面所を明るくしています。

CH11 洗面所

階段と浴室

階段回りのこの薄い壁を通して、引違いのサッシュで仕切られた浴室にも、階段上からの光が入ります。天井にカーテンレールが埋め込まれていますが、ここに布を垂らして脱衣の際には閉じる事ができます。

CH11 階段と浴室

2階居室

居間の上はスノコ敷きのデッキとなっています。その向こうのシルバーの勾配屋根が南棟です。
2階の居室は、引戸で細かく区切る事も、写真の様に全体を一室にする事もできます。中庭を介して、1階ともつながっています。

CH11 2階居室

手摺り詳細

螺旋階段と手摺りはスチール(鉄)で作られました。
手摺りは、落下防止を兼ねて、こんな形に曲げられました。

CH11 手摺り詳細

夕景~2階デッキより

このデッキは1階の中庭ともつながる外部空間です。2階には個室と納戸などがあります。

CH11 夕景~2階デッキより

2階トイレ

階段室の裏側が2階のトイレとなっています。格子壁を通して入る光が綺麗です。
明るさはこれで充分なのですが、トイレや浴室にはいつも窓を設置して換気ができる工夫としています。

CH11 2階トイレ

模型写真04

この模型は屋根が透明なので、中の様子が分かります。南棟ハイサイドライトよりの光が奥まで達しているのが分かります。 

CH11 模型写真04

模型写真05

空を飛ぶ鳥にしか見えないアングルです。手前が南棟ハイサイドライト、奥に北棟2階とデッキが見えています。 

CH11 模型写真05

模型写真06

階段の周囲の木製格子は1階床から2階天井までつながっています。 

CH11 模型写真06

配置計画

元々の敷地はほぼ四角でしたが東西に分けられて南北に細長い二つの30坪弱の敷地になりました。西側の敷地に建ったのがCH11です。ここは、両親と娘さんのための住宅ですが、数年後に東側の敷地に息子さんご家族のための住宅が建てられる予定があります。

 

CH11は敷地の中央付近に東に開かれた中庭がありますが、東側に建つ住宅も同じ位置に中庭を持ち、西に開かれた形状となる予定があり、全体が完成すると、広い中庭を共有する二棟で構成された二世帯住宅ができあがる計画です。 

CH11 配置計画

模型写真07(東側立面)

東側の敷地からCH11を見ています。
冬の直射光が南棟の屋根の上をかすめて北棟1階にも差し込みます。

CH11 模型写真07(東側立面)

設計概要

 建築用途 専用住宅
 主体構造 木造軸組工法 地上2階
 敷地面積 97.13m2
 建築面積 58.14m2
 延床面積 82.98m2

 
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