CH7;中庭のある家07(previous page)コートハウス

整地された敷地

2004年8月24日。これから「糸」を張って、基礎を作るために建物の配置を確認する。法律や近隣との関係もあるので、そんなに面白い作業では無いが、敷地境界からの離れなどしっかりチェックしなくてはならない。

CH7 整地された敷地

土工事

2004年8月26日。基礎を作るためにまずは土を掘る。基礎がこの上に乗るので、丈夫な地盤かどうかをチェックして、更に掘り進める。ここはまずまず良い地盤(ローム層)なので、何となくほっとする。

CH7 土工事

配筋検査

2004年9月13日。基礎コンクリートの内に組まれる鉄筋がきちっと作られているかを構造事務所と一緒に検査する。この基礎の工事とその上の木の骨組みの工事は、建物の構造上とても重要な部分なので、構造設計者に何度か来てもらいしっかりとチェックする。

CH7 配筋検査

基礎配筋の様子

2004年9月17日。べた基礎の配筋が見た目も「綺麗」に組み上がって来ている。

CH7 基礎配筋の様子

上棟後の現場

2004年11月16日。柱や梁などの骨組みが出来てきている。完成後にも同じ場所から写真を撮っているので見比べてください。骨組みの頃の建築は迫力がある。完成後もこの迫力を消し去らない様な設計をしたいものだと思う。

CH7 上棟後の現場

現場打合せ

2004年11月16日。現場での打ち合わせの様子。ベニヤ板などで簡易的にテーブルが作られて打ち合わせが始まった。にこやかに時折厳しく意見交換をしながら、決めていく。

CH7 現場打合せ

中庭よりの見上げ

これも完成後の写真と見比べると面白い。木造住宅は上棟するまでは早い。この後も、工務店の現場監督や大工の他にも様々な業種の方々(サッシュ・電気・給排水設備・家具・塗装などを工事する業者)との定期的な打ち合わせが続く。間違って作りつつある部分を指摘して直してもらったり、現場監督と私たちの考え方の異なる部分の説明をしたり、材料と材料の納まりを決めたり、それは、面白いが地味な作業である。設計図の中だけで決められないことも多く、実際に現場に立って決めていく。

CH7 中庭よりの見上げ

階段設置

2005年1月12日。待ちに待った階段が設置された。これでようやく大工が内壁に石膏ボードを・天井にシナ合板を貼っていける。合板は「目透し貼り」なので「目地」の位置をどこにしたらよいか図を書いて検討する。その他、窓枠や引戸の鴨居や土間の上り框や巾木の納めなどなどを検討する。藤色の棒状のモノは木製柱の保護カバー。

CH7 階段設置

足場に登ってみる

2005年2月2日。外壁・屋根・サッシュの工事が終わり、外部はほぼ完成している。

CH7 足場に登ってみる

塗装工事

2005年2月2日。完成の2週間前塗装工事が行われている。決めても決めても、次から次に決めなくてはならないことが出てくる。3次元の空間を「綺麗に」作る作業は意外と複雑なものなのだ。家具がまだ入ってきていない。工事が本当に間に合うのか、少々不安にもなる。

CH7 塗装工事

外観

外形は、四角と三角が組み合わさった様な形をしています。南棟は片流れの三角屋根なので、北棟の1階にも日が射し込みます。板のフェンスの向こうに中庭があります。外壁は金属製サイディング貼りです。

CH7 外観

中庭より南棟を見る

北棟より南棟の方を向くと、片流れの屋根の軒が低いので、青空を見ることができます。中庭にはどこからでも出られる様、全ての面をアルミサッシュの引戸としました。引戸の上には庇をまわしたので、雨の日でも戸を開けることができます。

CH7 中庭より南棟を見る

土間

玄関は作らず、広い土間としました。ここでは簡単な日曜大工の作業くらいはできます。上り框に腰掛けて、来客をもてなすこともできるでしょう。

CH7 土間

南棟居間より中庭を介して北棟和室を見る

土間から上がって奥の居間まで行って振り返ったところです。中庭を介して、周囲の部屋がつながり、一体の空間になっています。この場を中心に繰り広げられる生活をイメージすると楽しくなります。

CH7 南棟居間より中庭を介して北棟和室を見る

南棟居間

居間には三角屋根上部の窓からの光が射し込みます。右手はキッチン。

CH7 南棟居間

居間のハイサイドライト

高い位置からの光の帯は、刻々と音をたてずに変化して行き、静かな空間の中でも時が流れていくのを感じられるのです。

CH7 居間のハイサイドライト

キッチン

アイランド形のキッチンは、本体の奥行きも、作業スペースの奥行きも広めに作りました。料理好きのご夫婦なので、二人で料理を楽しむ事ができます。床は土間つづきのモルタルとし、左側の勝手口から外に出られます。キッチンカウンターおよび周囲の収納を全て製作しました。

CH7 キッチン

洗面脱衣

洗面カウンターや横の収納も製作しました。洗面ボウルは実験用流しです。北側の部屋ですが、トップライトから光が入り明るくなっています。

CH7 洗面脱衣

浴室

浴室は、大きく開き、窓も2ケ所につけている(写真では見えないが右手にスリット窓があります)ので風通しもよく、さっぱりとした気持ちの良い空間になりました。借景の緑を見ながら入るのも良いかも知れません。浴室の外にもデッキを設けました。ここは、洗濯物を干す場所にもなっています。

CH7 浴室

階段吹抜けと2階ホール

土間に掛かった勾配の緩い階段を上って振り返ったところです。土間上部は吹抜けになっており、高窓から光が入ります。

 

右側のホールはピアノ室としても使われ、外のデッキに出ると、中庭ともつながります。

CH7 階段吹抜けと2階ホール

屋上デッキを介して南棟屋根を見る

デッキの先には南棟の屋根が、目隠しになってプライバシーを守りながらも視界を妨げぬ様、スマートに建っています。

CH7 屋上デッキを介して南棟屋根を見る

南棟屋根よりデッキを介して北棟を見る

このデッキの左側1階には中庭のデッキがあります。正面の子供室は、中庭を介して1階居間と視線がつながります。南に向いた窓には庇が取り付けられ、夏冬の日射しを制御します。

 

2頁の上棟後の写真はこれと近いアングルで撮られたものです。

CH7 南棟屋根よりデッキを介して北棟を見る

中庭

中庭は、1階の各部屋だけでなく、2階デッキや個室ともつながっています。右側が南棟、左側が北棟。北棟1階にも、南からの光が射し込んでいるのが分かります。

 

これに近いアングルで撮られた現場写真が2頁目にある。

CH7 中庭

ある日のCH7

キッチンの様子。

ある日のCH7

ある日のCH7

お茶をいれる奥さん。

ある日のCH7

ある日のCH7

デッキで頂きました。

ある日のCH7  デッキで頂きました。

ある日のCH7

中庭デッキでの様子。

ある日のCH7

ある日のCH7

階段の先に入り口の緑が見えています。左に少し見えている白いカーテンは、土間と板間をやわらかく区切り、冬場には、空気の移動を防ぐ効果があります。

ある日のCH7

ある日のCH7

土間回りの様子。

ある日のCH7

ある日のCH7

土間にて(子供が出掛けようとしています)。

ある日のCH7

ある日のCH7

置かれていたものたち(土間)。

ある日のCH7

ある日のCH7

置かれていたものたち(洗面収納)。

ある日のCH7

ある日のCH7

中庭と居間の様子。正面は目隠しの木のフェンス。

ある日のCH7

ある日のCH7

取材に来られたKさん。

ある日のCH7

ある日のCH7

曇りの日にも、天井の高いところからの柔らかい光が部屋を包みます

ある日のCH7

ある日のCH7

中庭より階段を見ています。

ある日のCH7

ある日のCH7

奥さんが、上がって行きます。

ある日のCH7

ある日のCH7

階段を上り、2階デッキに出る奥さん。

ある日のCH7

自力で光を取り入れる形・家族が活動する形

 周囲を住宅で囲まれた敷地では、家々との視線の交錯や今後建ちうる可能性のある家との日照の関係も配慮しなくてはならない。CH7の敷地は南と北はアパートの妻面。西側は駐車場、北側は最近建ったハウスメーカーの住宅でこちら側(南側)に大きな開口を向けている。

 

 CH7は、夫婦と高校生の3人家族のための家である。中庭を、居間1・居間2・和室という性格の異なる一つながりの居間で取り囲み、家族が一緒に活動する場の充実を計った。

 

 これらの室の間は引戸にてあいまいに仕切られ、それぞれが個室としても使用できるが(就寝の際にプライバシーを守る、個室で暖冷房するなど)、普段は一つながりの空間として意識され、利用されることを狙っている。
 2階個室(子供室)は、土間上部の吹き抜けおよび中庭の2方より1階の回遊式居間とつながり、1階の家族の場に接続される。
 土間は広くとられ、玄関としてだけでなく接客を含めた様々な活動に対応する場として、居間2とのつながりも考慮して設計されている。

 

 8畳の面積の木製デッキ敷きの中庭を中心に、建築は南と北に配され、土間のある東棟がこれらをつなぐ。
 正方形の中庭は、冬場の太陽光を北棟に入れるに十分な一辺の長さを持ち、また、屋外での活動にも支障のない面積を持つ。居間と中庭が一体となって利用される事を想定して、中庭はデッキ敷きとされた。外部に広がった居間と言い換えることもできる。

 

 2階建ての北棟に対して、平屋の南棟は、北側に急勾配の片流れで、中庭側の軒は低く抑えられ、冬場でも太陽光線が差し込みやすい形体となっている。また、南棟の南面の採光窓は5.7mの高さに設置され、南側の隣家が建て替わっても自力で光を取り入れる工夫がされている。
 東棟は東側の住居との視線の交錯を防ぐ高さとされつつも、東棟と南棟の接合部でV字形にカットされ、東側隣家に眺望を提供している。
 日差しの制御及び雨天での開口部の利用を考慮して、中庭まわりに庇を設置した。また、通風を考慮して、各所にスリット窓を設置した。

CH7 立面図

設計概要

 主要用途 : 専用住宅
 設計監理 : 荒木毅建築事務所
 構造・構法 : 木造軸組構造
 敷地面積 : 192.50m2(58.23坪)
 建築面積 : 76.18m2(23.04坪)
 1階面積 : 76.18m2
 2階面積 : 25.28m2
 延床面積 : 101.46m2(30.69坪)

 
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