CH8/埼玉県 (previous page)コートハウス

西側遠景

CH8は、平屋のCHです。直方体のお弁当箱の上に、三角や四角の出っ張りが突き出ているような形をしています。これらの出っ張りは、明かり取りや階段に使われています。

CH8 西側遠景

道路側(北側)外観

西側とは異なった表情です。直方体の上に、いろいろな突出物が見えます。全体を濃いグレーの平坦な外装で包み、細部も含めて簡素な表現としていますが、屋上突出物が、形に変化を与えています。

CH8 道路側(北側)外観

土間

玄関のたたきは大きな土間となっており、土間を挟んで両側に居室があります。右側は個室で引戸で仕切られています。左側には居間などがあります。上がり框は、腰掛けられる高さになっています。

CH8 土間

土間

土間は南北に建物を貫いて、土足のまま南側のドアから外に出る事もできます。黒い楔形の立体は屋上に出るための階段。その右にデッキ敷きの中庭が見えています。

CH8 土間

居間

奥行のある居間は、勾配天井となっており、左(南側)にハイサイドライトとその下部の可動の収納棚、右に中庭やキッチンなどが見えるすっきりとした空間です。ハイサイドライトからは青空が見えます。南側の壁の下の方に窓が無いのは、南側にも2階家が建っていて有効な採光が取れないからです。

CH8 居間

居間

先ほどの写真の見返し。ハイサイドライトから南の光が差し込んでいます。左にキッチンや中庭。正面に土間を渡って子供室が見えます。キッチンはこの家の中心に配置されているので、居間と接する他、中庭を通して土間、和室や子供室とつながり、家全体の活動が把握できる位置にあります。

CH8 居間

書斎

居間の一部が書斎としても使えるように、引戸を介してつながっています。

CH8  書斎

中庭

建物中央付近、居間の隣にある中庭は、建物の奥に光を届ける装置です。中庭を介して、南の光りが和室にも注がれています。
中庭は和室の縁側の様にも見えます。床がはだしで歩けるカナダ杉のデッキとなっていて、部屋と部屋をつなげる効果があり、居間と和室を一体として活用する事もできます。

CH8  中庭

キッチン

L字形に配置された作付けのステンレス製のキッチンは、中庭に開いた窓(写真左)からの光で手元も明るく、中庭を介して土間の様子を見る事もできます。また、居間(写真正面)とも低いカウンターでつながり食事の配膳もしやすくなっています。キッチンの後ろには収納(写真右)が充実しています。

CH8 キッチン

洗面所

壁の上部がガラスになっており、自然光が入ります。写真では見えませんが、天井にも明かり取り(外観写真の四角い出っ張り)があり、洗面所に自然光を落としています。作り付けの洗面カウンターと収納で構成されています。

CH8 洗面所

屋上デッキ

直方体の平屋部分の屋上は全てカナダ杉敷きとしたので、この様にとても広いデッキとなりました。日向ぼっこなどしても気持ち良い屋上の庭です。
スノコと屋根の間に空気層があるので、屋根は日射による熱から守られています。

CH8 屋上デッキ

夕景

昼間は、奥行きのある屋内に自然光を届ける装置だった屋根の明かり取りから、夜は逆に、屋内の光が優しく漏れています。

CH8 夕景

CH8

郊外の住宅地に建つ、平屋のコートハウスである。
これまでのCHよりも中庭の中心性が薄れており、長方形の平面の中に、居間、土間、中庭とキッチン、子供室群などが、帯状の領域を作っている。
土間や中庭が、居室と居室や室の接続と分離の媒介領域として働いており、居間と屋上デッキも中庭を介してつながっている。

平屋の住居は平面に奥行があるので、自然光の取り入れを工夫した。これまでのCHと同様の「南のハイサイドライト」からの光、「中庭」を介した光に加えて、屋上に突出した「光採り」を活用している。光採りは、複数の居室(室)にまたがって光を供給している。これらの装置は、プライバシーを守りながら、自然光を十分に採り入れるのに役立っている。

外観は、仕様材料の種類、形状、色などの要素を増やさない事として、あくまで質素にまとめられた。内部空間の形が素っ気なく表現されており、平凡な形では無いが、地に脚の付いた静かな外形となっている。

CH8 立面図

設計概要

 主要用途 : 専用住宅
 設計監理 : 荒木毅建築事務所
 構造・構法 : 木造軸組構造2階建て
 敷地面積 : 307.43m2(93.00坪)
 建築面積 : 151.95m2(45.96坪)
 1階面積 : 151.95m2
 2階面積 : 7.41m2

CH8 模型写真
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