K.Y.G.H/北海道 (previous page)共同住宅、宿泊施設, 北海道での仕事

国道からの遠景

一帯に広がるジャガイモ畑の向こうに、寝そべるように建つYGHが見えます。背後の山は雲に隠れていますが、屈斜路カルデラの外輪山の一部です。

屈斜路原野ユースゲストハウス 国道からの遠景

南西外観

外装は現地産の間伐材を利用した落葉松羽目板貼りとしました。窓は、旭川の久保木工製の木製サッシュで、特殊フィルム入りのペアガラスを使用しています。壁の内部にはグラスウールが吹き込まれ、高気密高断熱の仕様となっています。
右手前の三角屋根部分が食堂になっており、南のデッキを介して庭に繋がっています(この写真では土ですが、現在は芝生の庭になっており、オートキャンプ場としても使われています)。
サイロの様な部分は八角形の吹抜けとなっており、宿泊室が周囲を取り巻いています。
背後の森は原生林です。

屈斜路原野ユースゲストハウス 南西外観

塔の空間(談話室)

外から見たときにサイロの様に見えた部分の内部です。八角形の吹き抜けを客室ロフトの窓や、ギャラリーなどが取り囲んでいます。
白い部分がギャラリーでその外側に客室があります。その上の小窓が客室ロフトののぞき窓で、その上の大きな正方形の窓が塔の空間への採光のための窓です。

 

この八角形の談話室では、いつも旅人の会話が弾んでいます。

屈斜路原野ユースゲストハウス 塔の空間(談話室)

東側外観

写真では、蒲鉾屋根の平屋建ての住宅部分の背後に「塔の空間」が見えます。
蒲鉾屋根の部分は平屋建てで、ご両親のための住居となっています。息子さんご家族の住居は塔の空間の一階部分にあります。このユースゲストハウスは、二世帯住宅ともなっているのです。

屈斜路原野ユースゲストハウス 東側外観

旅人の活動の中心

雄大な平原に屹立する、集中型プランのゲストハウスは、旅人の活動の中心として利用されています。

屈斜路原野は、屈斜路カルデラを形作る外輪山と湖の間にある茫漠とした平原です。屈斜路原野YGHは、この原野に「屹立」する建築を目指しました。

 

平原に定めた中心点を空間化して作られた8角形の「塔の空間」は、旅人の活動の中心として、風土に適した内部化された中庭をイメージしました。この縦の軸の周囲に、ギャラリー・客室などが取り囲む構成になっています。

 

住宅部分は蛇行しながら横に伸び、ゲストハウス部分と対照をなしています。この両親のための住宅は平屋建てで、ゲストハウスと繋がっています。

 

2階の客室上部はロフトとなっており、変化のある空間を形成しています。

屈斜路原野ユースゲストハウス

概要

 所在地 : 北海道川上郡弟子屈町屈斜路原野443-1(阿寒国立公園内)
 主要用途 : ユースゲストハウス+住宅
 家族構成 : 両親+夫婦+子供+宿泊客(~28人)
 設計監理 : 荒木毅建築事務所
 構造・構法 : 木造軸組構法 ・2階建て
 敷地面積 : 23000m2(7000坪)
 規 模 : 477m2(144坪)
 工事費 : 106,500,000
 竣工年 : 92年7月

 

★屈斜路湖の和琴半島より少し東、国道243号線から南に入ったところで、国道からも見えます。
オーナーの作る飯は旨いです。ご宿泊にランチに、ご利用下さい。
屈斜路原野ユースゲストハウスのホームページはこちら。オーナーのブログはこちらです。

 
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