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施主(建主)への手紙


 今回、建主と事務所との第一回目の打ち合わせに至る前に、建主が設計事務所の設計・監理にしようか、それとも工務店の設計施工一貫受注方式にしようかと悩まれた時期があった。私としては、設計事務所の職能について理解して頂く為に説明を試みたのだが、以下、その時に、建主に送った手紙である。


施主(建主)への手紙


拝啓

 すっかり秋も深まりました。皆様お元気にお暮らしのことと存じ上げます。電話の内容と重複する部分もあるかも知れませんが、先日の電話でお伝え出来なかったと思われる事項を書いてみました。参考にして頂ければ幸いです。

 設計事務所の仕事は、設計と監理です。

建主と建設会社の間に立って、建主の望んでおられるものを組み立て、それを表現した設計図面を作り、その通りに間違いなく建設会社により工事されるように目を光らせます。 建設会社は、どうしても、これまでの経験をもとに施工のしやすさを重点において考えますから、設計の「工夫」は避けたがる傾向があります。

 構造のエキスパートが少し工夫すれば出来る事も、一般の建設会社の設計力では無理があるため、設計段階での工夫はされないのが普通とお考え下さい。

 設計事務所がしっかりと設計をし、現場監理を的確に行う事によって、安易な施工に走りがちな建設会社に、より良い施工を行わせる事が可能な訳です。

 住宅の施工を特定の会社に決めていない場合には数社に見積りを取ってみる事も考えられます。ですが、今回の様に、工事する建設会社が決まっている場合には、建設会社の積算をチェックする目の必要性が高まります。これは、質を保ちながら、出来るだけ安くしていくためのチェックでもあります。

 設計事務所による現場監理を行わないで、建設会社の設計・施工一貫方式とした場合には、建設会社は、適切な努力をせずに楽な方法を採用し安くなります。逆に建設会社の主張に正当性がある場合にも、客観的な立場で建主に伝える事ができない状態となります。これを防ぐには、設計事務所による現場監理が不可欠になって来るのです。以上の様な訳で、建主と建設会社の間に中立的な立場の設計事務所が入る事は重要であると考えます。

 以上、思いつくままに書き連ねましたが、質の高い建築を作るために重要であると思われる事項を書きました。

 疑問に思われる点が御座いましたらお気軽にお尋ね下さい。

敬具




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